春のお買い物

お題「ちょっとした贅沢」

私の「ちょっとした贅沢」は、日常生活のためのものをちょっといいものにしたり、時期に応じて買い替えたりすることです。生活に関わるものと言っても、必需品でないものや、誰にも見せる必要がない自分だけのものを買い揃えることが密かな愉しみ。満足感の高い贅沢だと思います。ちなみに、「贅沢」を経済学の観点からいうと、収入が増えたときに購入を増やすもの、という定義だそうです。反対に、元々の収入で購入するものはすべて必需品とみなします。我々の感覚からは少しずれている気がしますが、今回買ったものはこれまでならあまり買わなかった領域に手を広げてみたものなので、経済学的にも「贅沢」と言ってもいいかもしれません。

3月:春色ポーチとハンカチ
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上:遊中川のirouraeポーチ(ベージュ)   3,780円

下:mottaのハンカチ(グレー地に水玉) 1,500円くらい

春になったなぁ、と思うと黄色いものが欲しくなります。淡い黄色は、私にとって春のイメージを刷り込まれた色。たぶん、フキノトウあたりから始まって、レンギョウミモザ福寿草タンポポ、蠟梅など、春の花に黄色が多いからだと思います。同時に、淡いグレーも春の色。水分を含んでけぶった空の色、空気の重さ、眠たそうな海など、どこかグレイッシュな色調が春の景色っていう感じ。そのイメージをそのまま投影したような綺麗なタックのポーチとリネンのハンカチを遊中川で見かけて、思わず購入。本当はプレゼントを探しに行ったんですけど、テキスタイルには弱い。とことん弱いのです。ずっとAVOCAのあったかチェックのポーチを使っていたので、ここいらで春夏用にチェンジしても罰は当たらないんじゃないかと。買う必要のないmottaのハンカチも、ポーチにぴったりだったのでセットで購入してしまいました。贅沢~。 

ポーチは細かいタックの裏側が濃い色になっていて、表に透けて見えるというこだわりの生地なんですが、これは若冲の「裏彩色」(裏側に彩色することで表から見たときの色の印象を変える手法)にインスパイアされたんですって。なんだか私、若冲づいてるみたいです。

4月:食器は1セットに割り切ってみる
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右:クチポールのテーブルスプーン 

左:クチポールのテーブルフォーク 各1800円だったような(忘れた)

とにかく一口でいっぱい食べられるスプーンが欲しい。例えばカレーとかシチューとかスープとかのために。と思い立って購入したクチポールのスプーン。フォークは必要なかったんですが、そこはやっぱりセットの方がいいかなぁと思って購入。なのでフォークは贅沢品。京阪モールのINOBUNで取り扱いがあり、ブランドは知らずに買ったんですが(ちょっと高いなとは思った)、ポルトガルのブランドで人気があるみたい。それに、今アマゾンで調べたらもっと安く買えたみたい…悲しい。
ところで「食器やカトラリーを何セット揃えるべきか」というのは一人暮らしの悩みどころです。ですよね?これまで私は律儀に2セットずつ揃えてきました。だってほら、いつお客さんが来るか、いつ彼氏ができるか、あまつさえいつ結婚するか分からないじゃない?でも2枚セットのお皿を「メイン」と「予備」的に扱う自分がいることに気づいた今日この頃、そのルールを見直すことにいたしました。気に入ったものはちょっと高くても買う、でも1セットだけにする。お皿やなんかはその方がお洒落に違いない。そうだそうに違いない。その決意表明としての、ちょっと高いスプーンとフォーク、1セットです。

5月:日本とアジアの交錯するところ
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湯町窯の小皿(5寸) 2300円くらい
ラオスの手刺繍コースター  500円
どちらも駒場の日本民芸館で購入。スリップウェアが欲しい、刺し子が欲しいと思っていたところに民芸館で購入意欲をさらに刺激されてしまい、併設の店舗であれこれ欲しくなって困りました。湯町窯は島根の焼き物だそう。どうも私は沖縄のやちむんなどの温かみのある感じより、山陰地方のシンプルで渋い感じの方が好みみたいです。それぞれ紺色で揃えてみたところ、自宅の食器にしっくり来たので満足。前月に掲げた「好きなものを1セットだけ」ルールも順守しております。
ちなみに、ラオスのコースターを購入した際店員さんが「これ最初は恐ろしく色落ちするので気を付けてください」と言ったのが印象的でした。輸入物って色落ちするイメージはあるけど、いったいどれくらいの激しさなんでしょうか。

うれしいぼやき

しみじみーとブログを始めて約10か月になります。やっぱり大事なのはコンテンツだ、ストック型の情報発信だ、と思い立ったものの、アクセス数を稼げるようなテーマを選んで無理をするよりも、自分が知っていること、思ったこと、語れることなど、一度咀嚼した情報しか書かないことをルールとし、基本的には単なる日記としてやってまいりました。男もすなる日記と言うものを女もしてみんとてするなり、といった心境。ビジネスではなく趣味です。あるいは趣味的なものがどこまで一般化できるかという実験です。

なもので、毎日アクセス数が20を超えると、わぁ今日は色んな人が読んでくれたなぁ、明日も頑張ろう、という気持ちになっていたのですが…先日若冲展について書いた記事が予想外に検索され本日自己最高の一日400アクセスを達成いたしました。当該記事を書いて以来、毎日のように100アクセスは超えているので、突然のフィーバーっぷりに目を白黒させております。アクセスログを見てみると、ほとんどが「若冲展 混雑」とかで検索されて読まれているようなので、みなさん混雑状況が気になって訪問してくれてるんですね。まあ、それを見越した記事タイトルにしている(だってせっかくだから読みたいタイトルにしたいでしょ)んですけど、おそらくその問いには答えられていない(単に自分が行った時の感想だから)ので、ちょっと申し訳ないです。一応謝っておきます。さーせん。

その後の記事更新については、急増したアクセス数に応えられるネタを用意しているわけではないので、結局いつも通りの実感系ネタをしゅくしゅくとアップしていくしかありません。なんですが、ブログ記事を投稿することの報酬って、なんだかんだアクセス数だと思うんですよね。アクセス数を稼げていると、記事をアップするモチベーションが妙に下がる。あるいは、どうせ若冲で検索されて読まれないかも、とか思っちゃう。実際ここしばらくはほかの記事がほぼ読まれていないようです…悲しい。

というわけで、これから地味な日記を書こうという直前の、うれしいんだけどどうせ読んでくれないんでしょ、というぼやきです。

和菓子 WAGASHI(藪 光生/角川ソフィア文庫)

興味がありそうだから、と友人が何冊かおすすめの書籍を送ってくれました。わーいわーい。持つべきものは面白い本をよく知っている友達ですね。お礼がてらに書評を書こうと思います。まず第1弾は和菓子の本。お茶を始めたいんだよね。文化って意味でも素敵だけど、正直和菓子美味しいじゃん、という一言に反応して送ってくれました。

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面白かったところ

  • ざっくりと和菓子の歴史を知れる
  • とにかく造形にぐっとくる
  • 意外と深い、干菓子の世界

ざっくりと和菓子の歴史を知れる

和菓子の歴史を7段階に分けて説明しているのですが、結局、外からの刺激が大きな転換点になっているんですね。まずベースは菓子=果物や木の実からスタートするんですが、ちょっとアク取ったり練ったりして食べているうちに、遣唐使がどどーんと「唐菓子(からくだもの)」を持ってきて、おおなんだこれすごいぞ、ということになり菓子が急速に進化。その後茶の湯の流行で侘び寂びしながら発展していたところに、マルコ・ポーロきっかけで南蛮人および南蛮菓子が到来。カステラにビスケットなど小麦や砂糖を使った製法でお菓子がさらに進化。江戸時代には寒天の作り方が発見されるなどして、今とほぼ変わらないラインナップになったそうです。単に「菓子」だったものが「和菓子」と呼ばれるようになるのは明治に入ってから。西洋菓子に対する和菓子という区別は、西洋画に対する日本画と一緒ですね。こうやってまとめると、お菓子の世界にもちょいちょい黒船がやってきては驚かされ、でも右から左へ受け流さずにちゃんと自分のものとして咀嚼してきているのがえらいなぁ、面白いなぁと思いました。島国のありがたさというか、とりあえず流れ着いたものを習得するまで外の世界が放置しておいてくれるようなところがありますよね。

とにかく造形にぐっとくる

本の中には季節ごとのお菓子がオールカラーで紹介されているんですが、とにかく美しい。ぼかしたり透かしたり、くるんだり絞ったり。実は材料はそんなに種類がないのに、化ける化ける。西洋菓子は「積み上げ型」、和菓子は「包み型」と書かれていたのですが、西洋菓子を異素材の出会いにより広がる味の可能性とするなら、和菓子は絞ってまとめてくるんだ果ての一点の味の調和、みたいなものを目指しているんじゃないでしょうか。そして、そのミニマムな志と裏腹な七変化っぷりは、同じ景色が季節によって変化する、日本の四季に通じる気がします。

意外と深い、干菓子の世界

干菓子が好きなんです。でも私が言っている干菓子は、あくまでその中の一つの落雁だったんですね。なるほど。普段いく和菓子屋さんでなんとなーく見逃していた、じゃりじゃりしたゼリーっぽいやつや外側が氷砂糖っぽくなったゼリーっぽいやつやしなっとしたメレンゲっぽいやつも干菓子であると。ほう、なるほど。それぞれ名称と製法を書いてくれているのですが、材料が大体寒天か砂糖か水飴なのでいまいち具体的に想像できず、ビジュアルから食感を思い出してみようとするのですが、難しい。たぶんどれも1回くらいは食べたことがると思うんだけど、どれが「艶干錦玉」で「石衣」で「寒氷」で「雲平」なのか…?せっかくなので、一度季節の干菓子セットを買ってみて、アレコレ味わってみたいと思います。

 

さて、感想は以上ですが、いまいち文章だけだと魅力が伝わりませんね。やっぱビジュアルがないと。世の中は和菓子ブームだし、他にも綺麗な和菓子の本はたくさんあるのですが、サイズも中身も価格もコンパクトにまとまった入門書としてとても楽しく読めました。

 

ひとり暮らしの献立1週間:夏の気配がする、5/8週

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GWはまるっと自炊をさぼりました。というかほぼ家におりませんでした。日曜はいつも19時からNHKのニュース→ダーウィンが来た!→真田丸という流れを辿り、ニュースをスタートにダーウィンが終わるまでに食事の支度をして、真田丸を食べながらゆっくり見る、というのが理想なのですが、なんだかんだずれこんでドラマ見ながら炒めたりするから準備が遅い遅い。あと野菜が焦げる焦げる。結局料理の腕は上がらないままなのですが、ともあれ、今週から自炊再開でがんばります。

5/8~14の献立予定

  • 日:さわらのトマトコンソメ煮込み、きくらげの天ぷら、きゅうりの浅漬け、チューハイ(キリン ビターズ
  • 月:冷やし中華、天ぷら残り、きゅうりの浅漬けの残り(麺をゆでる/卵焼きを作る/鶏肉は酒を振ってチンして手で割く⇒カット済キュウリと共に盛り付ける) 
  • :(外食予定)
  • 水:鶏とアスパラのパスタ、茹で野菜(鶏肉はチンして手で割いておく⇒パスタをレンジで茹でる/その間にアスパラ・ブロッコリー・人参を鍋で茹でる⇒アスパラと鶏肉、パスタをオイルソースで和える)
  • 木:キーマカレー、茹で野菜の残り、きゅうりのゴマ油和え(解凍しておいた挽肉、カット済の玉ねぎ・にんじんでカレーを作る/たたいておいたキュウリにごま油、塩、にんにくチューブを加えて和える/ごはんをレンジでチンする)
  • :(外食予定)
  • 土(昼)わかめラーメン(塩か醤油)、にんじんの金ぴら(卵を茹でる/わかめを戻す⇒卵を出した鍋で麺をゆでる/ラーメンスープを作る/人参はフライパンで炒めて味付け⇒ラーメンに茹で卵・わかめ・冷凍ネギを乗せる)

【献立メモ】

実家に帰った時に母・おばさん・大叔母さんと女系の親族に「あんたこれ持ってきなさい!ほらこれも、ほらこれも!」と押し付けられた頂いたものがアレコレあり、さらに今週は2日も外食予定があって絶妙に考えにくかったです。もらいものはどれも美味しいからうれしいんですけどね。毎度ありがとう。

一方で、気温が高くなったらものっすごく食べたくなるのが冷やし中華。ビールと同じように「気温が〇〇℃を超えたら冷やし中華日和」とかっていう裏設定があるのでしょうか。なんだか食べたい、と思ったときにはスーパーに平積みにされているのでつい買わずにいられません。しかしたいがい2食入りなのだけれど、1回食べたらちょっと欲求が落ち着くのが悩みどころよね。

野菜を日曜にすべてカットしてみたのですが…いったいいつまで持つのでしょうか。特にきゅうり。でもきゅうりのない冷やし中華なんて考えられない。様子見しつつ、やばそうなら早めに消化しようというのも今週の献立のポイントです。

【今週の反省・5/15追記】

・月曜の冷やし中華は面倒。それぞれは単純な作業ですが、茹でたり焼いたりチンしたりが並行しすぎると混乱します。あと、卵焼きを切るために包丁を使わざるを得なくて、しまった、と思いました。ポリシーに反してしまったわ。

・火曜日の外食予定がなくなって、急きょ木曜日のキーマカレーを繰り上げ。そしたら木曜の献立がなくなってしまって、チルドのピザを途中購入。献立をギリギリでやりくりしたらだめですね。白ワインとは合いました。結果オーライ?

日曜日の下準備・調理

【材料】

  • 家にあったもの:玉ねぎ1個、ミディトマト3個、刻みネギ(冷凍)、合いびき肉(冷凍、100gくらい)、卵、乾燥わかめ、各種調味料
  • もらいもの:きゅうりの浅漬け1本、きくらげ入り天ぷら(カマボコ的な奴)3切れ、北海道ラーメン4食セット
  • 購入したもの冷やし中華(ゴマだれ・2食セット)、スズキ(1切れ・バジルオイルの味付け済)、鶏むね肉(スライス済、1枚を10等分くらい)、にんじん(3本パック)、ブロッコリー1株、アスパラ1束

【下準備&調理】

  • 野菜を切る:アスパラは固いところを除いて4等分。ブロッコリーは房に分ける。人参3本は1本ずつ小口切り(茹で野菜用)、サイコロ切り(カレー用)、千切り(きんぴら用)にする。玉ねぎは半分を薄切り、半分をみじん切り(カレー用)にする。きゅうりは半分を千切り(冷やし中華用)、残り半分はたたく(和え物用)。トマトを洗う。今日使わないものをすべて冷蔵庫に保存。持たなそうなら早めに食べるか冷凍に移動予定。
  • 肉を冷凍する:鶏むね肉はなるべく平らにして冷凍庫に。
  • メインディッシュを作る:玉ねぎとアスパラを炒めて取り出す。さわらに焼き目をつけて、野菜を戻し、水&コンソメ&トマトを入れてしばし煮込む。

日曜のメインディッシュは、元々バジルオイル味がついているさわらのアレンジです。前日に1切れを普通に焼いて食べたので、やっつけ仕事で別の料理法にしてみました。で、買ったばかりの大皿に盛りつけてみたくて、大きすぎるだろうと突っ込みつつ盛り付けたら思ったよりお洒落な感じに。そして見た目の効果もあってか、思ったより美味。やっぱ見た目が大事だな、料理は!と食器購入意欲をそそられてしまった週末でした。せっかく倹約してるのに、食器買ったら意味ないわぁ。

大混雑の若冲展を楽しむ、わたくし的ポイント

大混雑という噂の「若冲展」@上野・東京都美術館。先日、飛んで火に入る虫の気持ちで行って来ました。関西に巡回するかと思ったらないみたいだし、会期も短いし、だめ押しでNHKスペシャル見ちゃったし。結局、思った通り混んでましたが、しっかり楽しめたので情報共有です。
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いつ行ったらいいのか

私は先週金曜、29日の16時半に訪問。到着した時点でチケット購入に10分ほど並び、入館まで30分待ちました。正直思ったほどではなかったです。もともと金曜は20時までなので遅いタイミングを狙った方が得策かなと思っていましたが、早めに人が引き始めたようでした。行列を整理する人達に聞いても、ずいぶんましになったとのこと。見終わって出てきたのが6時半頃で、その頃には20分待ちに解消されていました。
日程が限られなければ、本当は平日に行きたいところですね。でも、平日に出歩けるリタイア組の皆さんや外国人観光客もいるので、めちゃくちゃ空いているわけではないようです。おそるべし若冲ブーム。
というわけで結論は普通ですが、金曜夜か、平日の昼間ということになります。明日の6日の夜なんて会社員には狙い目かも。
 

どうやって見ればいいのか

館内に入るのが比較的スムーズでも、中の混雑が深刻なのがこの手の展覧会の問題です。素直に音声ガイドを借りることにして、自身のペースで味わうのではなく、ある程度知識を上げ底にしてテンポよく見ることにしました。ガイドは520円なり。行列の最後、会場に入る手前で借りられます(なんとここでも少し並ぶという)。
特にひとりで見にいく場合(私です私)は音声ガイドおすすめです。絵の近くに寄るために並ばないといけないような混雑ぶりの場合、私は面倒くささが勝ってしまうので、空いている作品からさくっと見て、目あての作品は人の後ろから見える範囲で見て終わり、というパターンが多いです。絵を見る姿勢として、あんな風に行列を作って順に見るのがあまり好きではありません。絵画をありがたがりすぎているようで大袈裟だし、その心理的な距離が向き合い方としてダメな気がします。もっと、自分なりの距離と時間で見たい。それがダメならマイペースで見れる範囲でいいや、ということで音声ガイドなんですが、中谷美紀がしっとりと解説してくれます。合間に美術史家の辻さんやジョー・プライスさんのコメントが入っており、会場内をうまく進めないときなどに聞くのによかったです(暇つぶしぽく使ってごめんなさい)。
 

私なりの見方

①近くもいいけど、遠くもね
画面いっぱいの超絶技巧と鮮やかな色彩、題材も明朗、遠目でもパンチが効いてて楽しめます。若冲の魅力のひとつは空間を支配するような広がりではなく、凝縮された画力で絵の中に引きずりこむような力だと思っているのですが、それがずらりと並ぶと、空気が濃く、重くなるような独特の空間になる気がします。特に動植綵絵の展示室ではまず全体を見渡してみるのをおすすめします。決して近寄れなかった負け惜しみではございません。
あと身も蓋もない話で恐縮ですが、混雑していても絵が大きいとまぁまぁ見れてストレスが溜まらないですね。私は靴を履いて170センチくらいの人間ですが、前に二人くらい挟んでも、一番下以外は大体見れました。以前同じくらい混雑していた北斎展を見に行ったときには、絵が小さくて全く見えずものすごーくイライラしたものです。フェルメールも同様。
 
②静の中の動を探す
画風の華やかさ、力強さに反するようですが、先程も言った通り若冲の魅力は作り込まれた世界の持つ強い引力だと思っているので、動というより静の印象があります。そのなかではっとしたのが雪の表現。そこだけ粉雪が舞うような錯覚に陥りました。細かく書き込んだ絵画の上にもったいないくらいたくさん雪を散らしているのですが、その勢いが動きを持っていて、静かな画面との対比がとてもいいんです。音声ガイドのなかで辻さんが取り上げていて、ああ一緒だと思って嬉しくなりました。
 

ご参考:事前にお勉強をするなら

ぱっと見てわーすごーい、と思えるのが若冲のよいところだと思うので、事前に知ってないと楽しめないということはないと思います。ある程度のバックグラウンドは展示会内でも分かりますし。
でももし日本画に興味があるなら、山口晃さんの「ヘンな日本美術史」を読むことをおすすめします。特に若冲に詳しくなるわけではないのですが、日本画の持つ特徴を知り、日本人が失った視点を知ることで、絵の見方が少し分かった気がしました。折を見てまた読み返したいと思います。

 

 

 

ヘンな日本美術史

ヘンな日本美術史

 

 

 

 

この展覧会については日本美術に詳しい友人と話す機会があって、いろいろと面白い視点を教えてもらったのですが、長くなりすぎたのでまた別とします。
 

air Closet 4回目:半端な季節をつなぐ春服

気持ちのいい季節になってきましたが、気温差が激しくて服の組み合わせが日々悩ましくないですか。コートでは暑くるしい、カーディガンでは夜寒い。いかにも春服といった華やかなカットソーは着れる時期が短くてあんまり買えない。結局春は冬服の薄いのか、夏服の重ね着で済ませてしまいがちな私です。

そこへ春真っ盛りな洋服が到着。バリエーションが増えて、素直にうれしいです。季節の変わり目の短い時期は、安物か借り物でつなぐのがいいかもねぇ、と思いました。
 
アイテムは、空色のカットソーと黒ストライプのワイドパンツ、カーキのオールインワン。両方を合わせると会社には派手だったので、別々に使いました。青はもともと好んで着る色で、カーキやベージュのパンツとも相性がよかったです。パンツは白カットソーと合わせてやや綺麗めにして通勤用に。何度も言いますが私は自転車通勤者なので、パンツがよいのです。
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カーキのオールインワンは、ワンピかと思いきやドレープに沿って下がキュロットになっているというもの。ワンピだったら着れないうれしはずかしな短さですが、キュロットだとなぜか着れちゃいますね。
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オールインワンには前から興味があったのですが、トイレの時どんな感じなんだろう、という疑問を解決できないまま買うのを躊躇ってました。今回良い機会なので、このオールインワンに白のロングカーデ、オレンジ系のネックレスを合わせて、神戸散策に。さすがに会社には着ていけず、休日のおでかけ着にしました。結論からいうと、トイレ面倒です。1枚で着るならいいかもしれませんが、なぜにトイレで諸肌ぬぎに、という大事感が否めません。あと脱ぐのに時間がかかるので、急にトイレに行きたくなったらどうしようかと、ちょっと不安でした。かわいいけど、すぐ脱げないなら必要ないかなぁ。
 
今回の3点も6日ほど借りて数日前に返却済みです。そろそろ次の洋服が届く頃なので楽しみ。

ごうごうと風の吹きわたる

昨日は時期はずれの嵐のような1日でした。子どもの頃、風が山を揺らすたびに、ああ猫バスが通ったねぇと親子で言ったものですが、今日の勢いだと猫バスにしたって大群かつ高速走行、やや暴走ぎみです。家に紛れ込んだ虫をやっきになって追いかける、くるみさんの我を忘れた姿を思わせます。ずばり、手がつけられません。
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窓から見える山肌は新芽が目立ち、風に強く煽られています。新緑の季節と言いますが、新芽は実際黄色いもの。緑よりも黄色が勝って見える山を見ると、春が来たなと思います。今年は特に黄色っぽくて、これは椎の木の花がたくさん咲いているせいなんだそうです。この花が多く咲く年は不作だと母が教えてくれました。強い風と相まって、妙にざわつく山の様子です。これはきっと、ナユグの春の影響だな(まだ読んでます、守人シリーズ)。

さて、そんな山のうんちくは露知らず、なつめさんとくるみさんは朝から風の音に耳をすませて、ごうごうと家を揺らすたびにびびっておりました。

な&く「おおお、なんか来る…」
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びゅうびゅうと風が吹き、ごごごと家が鳴り、続けて生ぬるいすきま風がぴゅうっと。

な&く「なんか来たーー!」
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なつめさんのしっぽが膨らんでいますが、くるみさんの真顔も結構なものです。二人揃って起きているのは珍しいのですが、あちこちうろついては風の音を聞いていました。

午後になっても鳴りやまず、結局飽きたらしい二人。安全な寝床に戻って、今度は風がどんなに吹いても起きないくらい熟睡しておりました。猫って敏感なのか鈍感なのか分かりませんね。

な「まぁ、こういう日は眠るに限るよ」
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うん、そうだねなつめさん。あなた大概寝てるけどね。