鬼が出るか蛇が出るか、百鬼夜行ライブ

玄関のドアを開けた直後、

壁伝いに電気のスイッチを探している手を見つけるときがあって、

ああ、ここに引っ越す前の「私」が残っているなと、面白い気持ちになります。

今の家は自動で電気がつくので、探している手はいわば”進化の名残”みたいなもの。

 

寄席の感想をまとめる前に。

今日は、椎名林檎のコンサートに行ってきました。

先日売買サイトで見つけたのはこのコンサートだったのです。

出品されて10分しか経ってないチケットをたまたま見つけた私の幸運よありがとう。

1階10番台列ほぼ真ん中!辿りついてステージとの近さに驚きました。

これ以上間近で林檎ちゃんを拝める機会はもうないかもしれません。

 

※こっからネタばれですよ※

 

セットリストとかは他で検索してくださいね。

私全然覚えられなかったので。知らない曲も結構あったし。

トークがほとんどないので、ほぼエンドレスで演奏しまくってくれて、

新宿は豪雨だわ神様仏様だわ頬を刺すのは朝の山手通りだわ。

もちろん我らの夏だわ。

なぜかセーラー服と機関銃だわ。

あー、中盤の罪と罰は泣けましたね。いやあ。これは。

歌詞とか覚えてるもの。16歳だか17歳だか、青春真っ盛りだもの。

前の列のお姉さん達が泣いてたから一人なのにもらい泣きしちゃった。

懐かしいっていうだけで泣ける、ただで年は取りませんね。

 

スクリーンを使った演出もかっこいいし、

管楽器たっぷりでジャズやスカっぽいアレンジなのもノリノリでかっこいい。

林檎ちゃんはコートを脱ぎ捨てたりミニスカナースで踊ったりと大サービス。

贔屓の浮雲さんはギター以外にカウベル叩いたりしてました。

ファンだから言うだけではなく、ショーとしてもとても面白かったです。

しかし、旗は買わんといかんですな。

開演まで時間がなかったからグッズ売り場に並ぶのは控えたんだけど、

座ったら周囲が旗だらけで肩身が狭いこと。

旗持って、良くも悪くも大政翼賛会的に振りたかったわー。

 

爆音でぼわんとする耳を抱えて会場を出た頃、天気予報の通りに外は雨でした。

あまりにいい席で、あまりに素敵なライブだったので、

自らの幸運に口元が緩みっぱなしでしたが、傘をさせて歩けたことは

すれ違う人を気持ち悪がらせないという意味ではよかったと言えましょう。

 

転職して以降、プライベートは随分と豊かになり、心の余裕ができました。

よく考えると肝心の真ん中の部分は空洞な気もしますが。

しかし、このラッキーな経験はご褒美なのかツケなのか。

幸運の先取りでなければよいなと、

プライベートが貧弱な私はついついネガティブ思考をしてしまいます。