私は歌詞で歌を聞く人間です。

少し前、もう何年ぶりかにCDショップに行って宇多田ヒカルの新しいアルバムを買ってきました。アルバムを買うっていう行為を久々にしてみたくって。あと、きっと実家の家族が聞きたがるだろうと思って。

感想としては、母をテーマにしているという前情報のせいか、「何かを表現している曲」と「気持ちを整理している曲」が混ざっているように思いました。アーティストも人なので、歌わずにいられない気持ちと、人を楽しませようと工夫する気持ちが入り乱れているのかなぁと。

そんな印象を主に歌詞から感じたんですが、NHKの番組で宇多田ヒカル自身が歌詞は音楽ができてから考えるいちばんしんどい作業といっていました。あんなに凝った歌詞を作るのに、とても意外。音楽に疎い私はもともと歌詞を読むのが好きなんですが、きっと多くのアーティストが音から入るのだろうと思うと、歌詞重視派は邪道なリスナーかもしれません。歌詞の解釈だって、音優先のなかでどれほどのことが分かるんだろう。

そんな答えのないことをつらつら考えつつ、あくまで自分勝手な解釈をするなら、私は感情と表現のバランスが一番いい気がする、冒頭の「道」が一番好きです。歌わなきゃ、と歌いたい、の間をいってる感じがする。