(随時更新)姪にジブリDVDを贈る順番を考える

毎年、姪っ子の誕生日に絵本を贈っていたのですが、下の子も出来て絵本ばっかり選ぶのも飽きてきました。

どうしようかと考え…そうだ、そろそろジブリを見せようと思い、5歳の誕生日に「となりのトトロ」をプレゼント。喜んでくれました。私は「魔女の宅急便」あたりから順に見てきたジブリっ子なのですが、これからジブリ映画を知っていくって、なかなか素敵なことではないですか。うらやましいぞ、5歳児。私はトトロならもう大体台詞をそらで言えてしまうし、一番好きな台詞は「豚が雲を引いた」だ。どうだ知らんだろう。

さて、今後マスター・ジブリとして後進の指導につくにあたり、これまでとは異なる指導要項の検討が必要と思い至りました。成長過程で映画が封切られた我々第一世代と違い、これからの子どもは自分のニーズにあわせてジブリ映画に触れていけるわけです。どういう順番で見るのかも、重要なポイントとなるでしょう。できることなら、可愛い姪と名作アニメの邂逅を最高の順番で演出したい。ひとつ年を取るごとに、その年齢にあった作品と出会わせたい。

そんな空回りする気合いで、指導要項(あげる順番)を考えてみました。単なる備忘録ともいえますが。金曜ロードショーで出会ってしまう可能性はいったん無視。カッコ内は発表年。記載はすべて妄想のリアクション。随時更新します。

 

【5才】となりのトトロ(1988)

田舎の風景の気持ちよさ、お母さんが病気になった不安な気持ち、ネコバスのふかふかさ、まっくろくろすけのつついてみたさ、エンディングでテーマソングが挿入されるタイミング、などなど、全てが五感を刺激されて夢中になる。カンタがなんであんなに無愛想なのかよく分からないなぁと思いつつ、妹ができた姪は「おねえちゃん」でいることの辛さが、ちょっと分かるようになる。あと、田舎のおばあちゃんちに遊びにいったら、トトロが出てきそうでわくわくする。

 

【6才】 崖の上のポニョ(2008)

大人になると妙に怖い映画。個人的に子供の頃に見たらどう受け止めるのか知りたい。日常に非日常が混じる不思議、古代生物越しに見る水に沈んだ街、死んでるのか生きてるのか分からない幸せな老人たち。ぽにょは可愛くて、ちょっと怖い。見終わったらあのラーメンをお母さんにねだってしまう。そして何より♪ぽーにょぽにょぽにょ♪が呪いのように頭から離れない…!子供ながらに中毒症状の何たるかを知る。

 

【7才】 天空の城ラピュタ(1986) 

初めての出会い、7歳くらいでいいんじゃないかなぁ、と思う。とにかくムスカが許せない、ロボットが可哀想と、子供ながらに感じる理不尽さに怒る。そして、なんであんな動きでパズーは城から落ちないんだろう?シータのスカートがひらひらして、パンツが見えないか心配。などなど、ジブリアニメならではの浮遊感を堪能する。あんな風に浮くのってどんな気持ちだろうと思って、飛行石がものすごく欲しくなる。今度もし洞窟を見つけたら、飛行石が埋まっていないか確認しなきゃ。あと空に竜の巣が見えないか、たまに上を見上げなきゃ。

 

【8才】 千と千尋の神隠し(2001)

主人公と年齢が近くて、親近感がわく。あんな風にもし自分が違う世界にいってしまったらどうしようか、お母さんとお父さんは豚になってしまうのかなぁ、と自分に引き寄せて考える。もし豚になったとして、最後に両親を言い当てる自信はないなぁ。電車に乗って旅をするシーン、どこか悲しくて印象に残る。カオナシは最初どうかなぁと思ったけど、まぁまぁいい奴だったな。あと、まっくろくろすけ出てきたな!

 

【9才】 魔女の宅急便(1989)

なんだか洋風の設定にどぎまぎする。お母さんがお洒落、絵描きのお姉さんも自由でかっこいい。ラジオをつけてホウキに乗るのもなんか洒落てる感じがする。けど、キキはちょっと大人しくて、真面目で、じれったい。あんな意地悪な女の子にバカにされてくやしいから、もっと可愛い格好して見返してやればいいのに。ヒロインなのにな。それに、トンボはどうかなぁ、と思う。いいやつだけどさ、ちょっと頼りないよ。あと魚のパイって何やねん、と思う。

 

【10才】風の谷のナウシカ(1984)

こいつをどこの年齢で持ってくるべきか。もののけよりは先に行っときたいんですよね。王蟲こえー、巨神兵きもー、腐海逃げ場ねー。た、頼れるのはユパ様のみやでこれは…!と戦慄する。あと、ナウシカはパンツが見えてるんじゃなくてズボンをはいてることを理解する。それにしても、最後までメーヴェがどうやって飛んでいるのか分からない。あんな風に頑張れるナウシカはすごい。けど、私はきっとナウシカにはなれないとおもう。怖かったから、しばらくは見なくていいかな。(その後中学生でナウシカの漫画を読み、アニメ熱が再燃する。たぶん)

 

【11才】平成たぬき合戦ぽんぽこ(1994)

同じ年齢のときに、 年の近いイトコ達と子供だけで連れだって見に行った初めての映画。ラピュタのときの怒りとは違う、やるせない気持ちに沈んで、楽しさの反面悲しくて、泣きたいんだけど格好悪くて泣けない。そんなお年頃。この頃になれば学校で環境問題を習ったり、昔話もあれこれ知ってたりして、大人の気持ちで解釈を楽しめる。それでも、エンディングテーマの入り具合がふっきれすぎて、まだ私そんなに割りきれてないよと不満に思う。

 

【12才】 ハウルの動く城(2004)

この次にもののけ姫だと重いので、ハウルを挟んでみる。近頃の小学生は早熟で、きっとこの頃には彼氏の一人や二人いることでしょう。漫画に夢中になるか、アイドルに夢中になるかして、いっぱしの女の子になっていると予想し、二次元方向への誘惑を仕掛けてみます。最初の空中散歩でつかみはOK、この年頃なら戦時中の設定はもはやロマンスの香りしかしないはず。しかし、キムタクの声かどうかなんて、どうでもよくなってるんだろうなと思うと、隔世の感あり。

 

【13才】もののけ姫(1997)

シリーズのクライマックスにこちらをご用意。できれば私とほぼ同じ歳に見て欲しい。猿と猪をナチュラルに見かける田舎暮らしと(山犬は見かけません、念のため)、姪の都会暮らしではきっと印象が違うだろうけど。全体的にきっぱり自立したキャラクター達と真理を問う世界観に、潔癖な思春期の子がやられてしまうこと間違いなし。極限状態での愛、しかもプラトニックなやつ最高(中2病の声)。姪がやや腐女子化していた場合は、ハウル派かアシタカ派かで友達と議論になる。しかし、アシタカは格好いいけど、故郷のカヤちゃんへのあの仕打ちはどうかと思うよ。あと、ヤックルが欲しい、ヤックルが欲しいよぅ!

 

【14才】紅の豚(1992)

エンディングにはこれ。冒頭の子供たちに振り回されるシーンや、女ばっかりの工場で戸惑うシーン、存在自体が面白いカーチスや空賊たちなど、肩肘凝らずに楽しめる。美しい飛行のあとに必ずトラブルが起きる展開もいい。それに、ジブリ映画では珍しいおじさんの声が、渋さよりもコミカルさを引き立たせている気がする。しかし、豚のかっこよさ、過去を背負った大人のかっこよさ(あるいはかっこ悪さ)は、大人にならないと分からない。でも大人じゃないからよく分かんない。そんなもやもやで終わっていただきたい。宮崎監督が作って後悔したという理由も、大人になってから分かった気がします。

 

以上、私があまり好きではない映画はリストに入れていません。つまり、「耳をすませば」は恥ずかしくて見てられない、「ゲド戦記」はル=グウィンの原作で読んでほしい、「アリエッティ」はどっちでも、「コクリコ坂から」「風立ちぬ」は高校生くらいで気が向いたらどうぞ、「おもひでぽろぽろ」は20歳越えてから、「火垂るの墓」は可哀想で見てられない。その他略。

また気が変わったら書き直します。