映画『キックアス』を観た

年末にHuluに加入し、観れてなかった映画をあれこれ見てます。香港映画が一段落したので、キック・アスで一旦クールダウン。

クロエ・グレース・モーリッツを有名にしたアクション・コメディっていうのかな、やりたい放題のヒーロー物です。刺激強めでブラックで、でも見終わったらスカッと爽やか、コカ・コーラのような映画。アメリカだけに。

以下、ネタバレ含みます。

私の一押しはヒット・ガール役のクロエの『口』。変装したときにマスクの下から小さい顎と口が見えるんですが、この怒ってひんまがってる口が実にかわいい。ふわふわの子猫が真剣に怒ってるときのような、なんとも言えない、いたいけなラブリーさです。そんなラブリーな姿で銃をぶっ放すのがまたかわいい。特にクライマックスのアクションシーンは、かっこいい音楽と共に銃撃戦から肉弾戦までフルコース。悪そうなギャングの手下をがんがん殺しまくります。“悪い噂なんて気にしない、私は好きなことをする”的な歌詞に乗せて、まるでプロモーションビデオのよう。アメコミ映画はあんまり好きじゃないのに、この不謹慎な感じはなんかいいなぁと思いました。不謹慎さでテンションあがる感じ。学校をサボるような背徳感のある喜びです。たぶん、普通のアメコミ映画はあんな愉快な格好してるのに、妙に悲壮感とか正義を漂わせるのが感情移入できないんだと思う。スーパーマンの配色とか、罰ゲームのようだよ。

不謹慎といえば、人はとにかく死にます。それも結構残虐な感じで。マシュー・ヴォーンの映画は『キングスマン』を観ていたのである程度予想してましたが、今回観て面白いなと気づいたのが、冒頭のセットアップのうまさです。これから始まる映画は結構不謹慎で、人がばんばん死んじゃうけど映画だし笑って許してよ、的なマインドセットがうまいんだなぁと。例えば一番はじめのシーン、ヒーローに憧れる若者(本筋には全く関係ない)がヒーローを真似てビルから飛び降りて死亡。次のシーン、シリアルを食べる食卓で主人公の母親が動脈瘤で突っ伏して死亡。このあたりで、この映画における死に方がなんとなく分かります。残虐さをブラックユーモアととらえるルールも。それを楽しめるかが肝要です。

監督がそんなことを目指したのかどうかは知りませんが、とりあえず扱いが酷いというルールからは正義も悪も逃れられない、という点において、登場人物達は平等です。そして、悪だけでなく、正義が手段においてモラルから逸脱しているほど、なんだか妙に解放感が味わえます。全く人を殺したいわけではないのに、「人を殺してはいけない」という社会的ルールに縛られている窮屈さから解放されるってことなのかなと、思ってみたり。あるいは、過剰防衛・過剰攻撃がもつやり過ぎ感が、無意識のうちにバランスをとっている日常のもやもやを解消してくれるってことかもしれません。

つまり、やっちゃダメなことを映画でがんがんやられると、うわぁ酷いと思いながらも、それを楽しんでストレス発散してる自分がいるよね、てことです。うん、最初からそう言えばよかった。

なんだかもやもやする夜に、ぜひどうぞ。

キングスマンも、面白いです。ノリは一緒です、悪しからず。

 

キック・アス (字幕版)
 

 

キングスマン(字幕版)
 

 

 

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