3月も2週目

3.11.sun.

東日本大震災から7年。強い悲しみを味わったとき、当人の心境として、その悲しい出来事の前と後では自分が全く変わってしまったような気がするものだと思う。前の自分がどうだったかを思い出せず、同じ状態には戻れない。時間が経てばショックは和らぐけど、記憶は無くなりはしない。7年前に家族や友人を無くした人たちの今を追うニュース番組を見ながら、その人たちの顔のどこかに悲しみのしるしのようなものがないか探してみるのだけれど、テレビで見る限りでは分からない。母親を亡くした女の子が、7年経って可愛い娘さんになっているのを見ると、悲しい出来事が綺麗な盛りに影響しなくてよかったなと思うのと同時に、言われなければ悲しみを抱えていることには全く気づけないんだなと思い、つくづく、他人のことは分からないものなんだと心に刻むことにする。私はこんなに悲しいのに、それを正しく伝える術はない。言葉は不十分だから。そして私の悲しみを、周囲が分かることはない。喜びはそうでもない気がするのだけど、悲しみはそれ自体が孤独。

 

3.16.fri.

友人達の間で賛否両論だったシェイプ・オブ・ウォーターを観てきた。途中、水気の多い画面とビールのコラボでトイレにいきたくなってしまい、集中力が落ちてしまったので反省。今後、映画館でヒールを飲むときは、たとえ時間が迫っていてもトイレに行くことを誓います。お話はいたって正統派、おとぎ話の安心感(もちろん、振り返ってみればってことで、観てる間は結構ハラハラする)。主人公や周りの人たち、例のアレなど、人物造形やデザインが個性的で、ピュアで楽しめた。ただ、少々敵役をシンプルにしすぎたせいで、却って主人公たちの繊細な感情表現が妨げられたような気もする。マイノリティの孤独感、恋愛の喜びと悲しみを、ファンタジーだからこそもう少しリアルに味わいたかった。イライザが歌い出すシーンが一番よかったけど、ファンタジックにしないほうがもっと沁みたかなぁ、とか。

 

3.17.sut.

人生最高レストランを見てぼろ泣きする。見城さんの仕事観っていつも泣かされるのだけど、それはすごいなぁと感動するというより、何やってんだかなぁ自分、という反省の泣きだと思う。泣くのは後悔してるからだって誰かがいってたから、私は何も努力してない、何もできていない、と反省しつつ、そんな自分にとても後悔してるんだろう。しかし、編集者って人間力だなぁ。圧倒的努力、による、人間力。憂鬱じゃなければ仕事じゃないんだって。でもまぁ、それなら、私最近憂鬱だから結構仕事してるかもしれない。