3.19-25 さくら咲く

たとえ念願の何かが叶ったわけでないとしても、桜が咲くと気分が浮き立つ。ただ楽しいだけでなくて、楽しさを早く味わわねばという焦りも混ざった気持ち。花見を、はやく花見をせねばならん。

 

3.18.mon.

最近やってるiPhoneのCMが好き。セルフィーを推奨するシリーズで、自撮り写真と一緒に、自分自身をグレートだと称えるメッセージを流すだけのシンプルなもの。その途中でcolorfulという単語が出てくるのだけど、使われ方が、華やかとか、生き生きとした、という意味で使われていて、面白い。日本人の感覚に直結しない意味でありながら、伝えたいことがすごく伝わる。カラフルな、つまり色彩が豊かな状態は、確かに華やかで生き生きとしている。

 

3.21.wed.

グレイテスト・ショーマン」を観た。本当は「欲望の翼」を観に行くつもりだったのに、時間に間に合わずにまぁいいか、という軽い気持ちで。

ところが。いやぁ。まぁ、泣くよねThis is meは。何か不意打ちのようにぼたぼた泣いてしまったけど、きっとあれ目当てのお客さんもいるってことよね。「そこのけそこのけ私が通る」的なところで一気にピークが来ました。

何がすごいって、話の流れでは全然泣いてない自分がいて、完全に音楽と演者のパフォーマンスに泣かされてるっていうところ。映画は賛否両論らしく、ストーリーの浅さが批判されているらしいのだけど、私は却ってその方がショーそのものに集中して感動できる気がして、まぁいいんじゃないか、と思う。もうストーリーとかどうでもよくない?だってすごいよパフォーマンス、みたいな感じです。グレイテスト・ショーマンではなく、グレイテスト・ショーを観たと思えば納得できる。例えば、主演のヒュー・ジャックマンの体のよく動くこと。そして裏も表もない分かりやすさ。人物造形にも心理描写にもさほど惹かれない分、純粋にパフォーマーとしての質の高さに唸ります。カーライルのほうが歌もダンスも鈍くさくて、その分映画として人間味があった気がする。

音楽はどれもキャッチーで完成度が高くて、ハズレがない。衣装や演出もすばらしく、サーカスという舞台でありながら、実際には場所を制限しないミュージカル映画の可能性を感じた。ラ・ラ・ランドの方が映画として洒落てると思うけど、こっちのほうが、エンタメとしては潔い。

 

3.25.sun.

欲望の翼」はなんと大阪では30日までしかやってないらしい。本当は午後から仕事をする予定だったのだけど、先に映画を観てくることにする。先週から三本目。さすが春休み?、映画づいてる。

主だったウォン・カーウヮイ映画で観てない作品だったので結構期待していたのだけど、そんなでもなかった。私がさほどレスリー・チャンに惹かれないというのもある。レスリー好きなら垂涎のアップ連続ぶりであった。若いアンディラウも出てて、私は彼の役の方が実直そうで好き、ていうか安心。さ迷える青春もよいけどさ、やはり定職は大事だろう。

恋する惑星」を観たときも思ったのだけど、私は香港映画で描かれる暑さと湿気に強い嫉妬を覚える。マンションで戯れる恋人の胸の谷間の汗が、妙に羨ましい。まず谷間が羨ましいっていうのはあるが(香港女優はすらりとしつつも肉感的で色っぽい)、夏場、汗をかくほどの部屋の暑さって、たぶんかなり長い間経験してない気がする。それに、そんな暑さにもう耐えられなくなってると思う。クーラーの効いたオフィスに慣れきって、私の肌はすっかり汗に弱い。だから、暑い季節を素のまま受け止めきれなくなった私にとって、暑くて気だるい香港の夏は眩しくて、懐かしくて、羨ましい。