日本一、ゆえに世界一?の女道楽を観た話

WOWWOWでこんな番組をやるというニュースを見て、そういえばこないだ寄席で観たのだった、と思い出しました。

 

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 先日、友だちに「最近一番楽しいことは何か」と聞かれて答えられなかったんですが、(で、答えられなかったことにちょっと反省したのですが)たまーに寄席に出かけるのを楽しみにしています。

何がよいって、熟練した芸を見るとものすごく気分が上がるのです。周囲がおじさんばかりで上がったテンションを共有する術がないんですが。

 落語の楽しさは話が面白いだけでなく、面白いことがとても深いレベルで提供される喜びです。何というか、ファーストフードのハンバーガーではなく、こだわりのグルメバーガーみたいなものです。同じ笑いでも、レベルが違う。食べごたえがあって味わい深い。

女道楽も同じだなあと思いました。

 あれは確か、どなたかの襲名披露公演(今ぱっと出てこない)。そうとは知らずにふらりと繁昌亭に行ったら、補助席しか用意されていなくて驚いた日でした。

落語も相当面白くて大満足の寄席だったんですが、落語と落語の間に登場した内海英華さんの歌や話の上手い事。不勉強で何ですが、歌って、弾いて、踊って、話せないとできないのが女道楽だそう。する方は大変ですが、見る方にとっては贅沢な芸事です。

日本に一人しかおらず、本人曰く「よって日本一、いや世界一」の女道楽だそうな。初めて聞いた都々逸が、かっこいい。さらに話が、面白い!

一般的に、美人と言うのは面白くありません。面白くしてやろうという気合や振る舞いが却って寒々しいと言うか、痛々しいことが多い。それなのに、きりっとした佇まいは崩さず、でも笑いのツボも心得ている。

さらに贅沢だなぁと思いました。それでいて胸のすく感じもあるのです。

たぶん笑いが男性のものだと言う意識がどこかにあるからでしょう。落語家だってほとんど男性です。女性の価値である「美しさ」と「笑い」は結構、相反しますからね。

見た目を売りにして面白い女性芸人は、ちょっと思いつかない。美人じゃないけど、友近とかそうかなぁ。

ともあれ、歌って踊れて笑いも取れる美女の伝統芸、粋な商売です。

ぜひ観たい、ていっても私WOWWOW見れないんだよなー。

寄席での再びの出会いを期待しましょうか…