映画『アリー』を観てきた

占いによると私の2019年は「愛と創造の年」なんだそうです。そうだクリエイティビティを思い出すんだ、と言うことで年初からブログ再開してみます。年初というか、仕事始めね。

 

暮しの手帳に連載されている芝山幹郎さんの映画評を読み、評価がよければ大抵観に行くことにしています。この映画をボヘミアン・ラプソディの予告編で知ったときには、いやいや、ガガ様映画て、とつっこんで終わったのですが、芝山氏曰くベタを裏切る映像や俳優のリアリティとのことだったので、ちょっと興味がわき、結局観に行くことに。

ちなみにボヘミアン・ラプソディは機を逸しましたが面白かったです。ただ、私はクイーンを語るための言葉を持たないので、なんだかおおっぴらには話しにくい映画です。とりあえずアルバムぽちりました。聞けば聞くほどうっすらキムタクが浮かんでくるあたり(あのドラマ観てないんだけど)、所詮こんな世代よのう、と思います。

 

で、映画なんですが、思ったより面白かったです!王道といえば王道で、話に裏切られることはないのですが、変にナルシスティックでもなく、アーティストの二人の存在感、力量の確かさが真実味を与えるので、ドキュメンタリーがフィクションに編集されたような妙なあべこべ感を味わいました。すっぴんのガガ様も珍しくて、演技をしているスクリーンの中で素顔が分かるというのも、あべこべの面白さの一端かと。そんなに美人じゃない、と一緒に行った友達は言いましたが、私は綺麗だと思いました。意思が強くて賢そうでプライドも高そうな目や鼻が、そういう態度の女って嫌われるのよね、ということも見越して少しナイーブに揺れる感じに、何だか親近感を持ちました。演技なのかなぁ、素なのかなぁ。それが分かんないところが上手い映画なのかも。

で、そこへ来て圧倒的な歌唱力。何の説明もいらない歌声。話は大体分かったからとにかく早くガガの歌を聴きたかった、とやはり友人はのたまいましたが、それに関してはやや同意です。カントリー・ロックからポップスにバラードまで、歌が上手いって正義!その強さが恋人を追いつめてもなんら不思議ではない、と思える説得力です。シャロウの歌い出しなんてぞわっとしました。女の子が夢を追いかけて努力する姿にとにかく弱い。なんなんだおっさんなのか私。

そして、そんなガガ様に対して受け身の演技に徹するブラッドリー・クーパー。演技うまい歌もうまい監督もしてるのかかっけぇ、と才能を加味して私は彼にも感心してたのですが、あいにく既婚者の友人にはウケが悪く、あんな酒浸りとはさっさと別れればよかったのに、とのことで同意は得られませんでした。後から合流した友人の夫にも「泥酔して妻の大事なときに失態をおかすなんていけない。ましてやドラッグは犯罪である」とたしなめられました(この人は映画を見ていません)。うんまぁそうなんだけど。正しいのだけど。アーティストとして尊敬しながらも自分の存在が追い詰めてしまう最愛の人、てベタだけどなんか分かるやないか。見捨てられないじゃないかー。

でも私、未婚なので偉そうなことは言えません。そういうとこかも知れんぞ自分、と意識を改めておきました。

 

見終わったあとはシュラスコを食べに行ったのですが、我ながらナイスチョイスだったなと思います。肉感的な歌声の後に、リアルな肉がなんかぴったり。がっつり頂きました。所詮アジアの女なので、後でキャベジン飲みましたけど。