ひとり暮らしの献立1週間:育てて…食べちゃう!5/22週
先週末業務上の緊急トラブルが勃発し、今なお対応に追われ、かつまみれております。どうせまみれるなら、猫まみれになりたい。今週の献立を水曜に書いている後手後手感は否めませんが、もう備忘録的に書いておきます。
さて、今週のテーマは「そうだ野菜だしでトマトソースを作ろう」です。あと「買ってきたバジル食っちゃおう」というのもです。
みなさんは、家で育てたら便利そうな野菜や果物について考えたことはありませんか?キャベツや人参なんかの常備菜も便利でしょうが、私が考えて思いついたのは、レモン、ミニトマト、バジル、ルッコラ。なんだか地中海性気候ですね。別にイタリア料理が作りたいわけではなく、常備してないんだけど、それがないと料理が締まらなくて、思いついたときに「ちょっとだけ」あればごはんが美味しく、お洒落に仕上がるものが欲しい、と思ったんです。ふと思いついたときにベランダに1個レモンが成ってたらぐっとくるなぁと。実際には旬があるからレモンの消費に追われる確率の方が高いですが…。ともあれ、自他ともに認める園芸オンチである私は、自分のレベルを自覚し、いきなりレモンではなくまずバジルから始めることにしました。ある程度生育したポット苗なので、買って来たらすぐに食べれるというイージーさです。わーい食べるの楽しみ。
5/22~29の献立予定
- 日:(昼)わかめラーメン(醤油味)
- (夜)チキンピカタ&ほうれん草茹でたののトマトソース、アボカドとひじきのマリネ、スパークリングワイン
- 月:トマトソースのパスタ、アボカドの残り、スパークリングワイン(パスタをレンジで茹でる・トマトソースをチンする→お皿に盛り付け/サラダはそのまま) ※トラブル対応で深夜帰宅、なのに食べてしもうた…
- 火:外食予定
- 水:ギョーザ、ほうれん草おひたし、ビール、(ごはん)(冷凍餃子を焼く、ほうれん草を解凍して味付け)※トラブル対応、食べれる時間に帰れず
- 木:梅とろろうどん、ちりめんごはん(だしを取ってうどんつゆをつくる/冷凍うどんを茹でる/ごはんを解凍する)
- 金:フラメンカエッグ、ワイン残り(トマトソースにソーセージ・ほうれん草を入れて温める・卵を割り入れて半熟にする)
- 土(昼)残り物(カレーかな)、インスタントスープ(残り物を解凍したり温めたり/湯を沸かしてスープを作る)
【献立メモ】
今週活躍したのは茅乃舎の「野菜だし」と、だしを買ったらつけてくれる「お料理読本」。もうすっかり有名な茅乃舎ですが、レシピが簡単で美味しく仕上がるので、新しいのをもらうたびに取って置いています。だしパックとしてだしを取るだけでなく、パックの中身を混ぜ込んで味付けするレシピもあり、調味料要らずで楽ちん。もはやこれは料理なのか?と自問したくなるほど簡単だったりします。でも美味しい。
【事後メモ】
水曜の献立を木曜に作ったので1食食べれず。大判の餃子はたねがたっぷり詰まっているので6個もあれば満腹です。また、週後半の野菜が不足しがちな時期にほうれん草の茹でたのは便利でした。
金曜のフラメンカエッグは“もどき”です。元々スペイン・アンダルシア地方の料理だったかな。近所で食べて美味しかったんです。唐辛子の効いた辛口のトマトソースに魚介類と卵を入れてチーズをかけた料理でした。“もどき”の方は、フライパンでトマトソースとソーセージを温めて、卵を落として半熟になるまで蓋をしたもの。味は違うけどそこそこ旨い。
日曜日の下準備・調理
【材料】
- 家にあったもの:玉子(2個)、乾燥わかめ(適量)、鶏むね肉(冷凍・残り)、冷凍カレー(1食分)、冷凍うどん1玉、冷凍ギョーザ、冷凍ごはん、袋ラーメン1食、トマトホール缶1つ、梅ぼし1個、とろろ適量、チリメン適量、茅乃舎の野菜だし2つ、レモン汁適量、各種調味料
- 購入したもの:ベーコン3枚、ソーセージ4‐5本、アボカド1個、乾燥ひじき5g、ビール、ワイン
- 家で収穫したもの:バジル(適量)
【下準備&調理】※ラーメンは省略
- 野菜、ベーコンを切る:ほうれん草を4等分にする/玉ねぎ(1個)をみじん切りにする、ベーコンを細切りにする/アボカドを切る
- ほうれん草をゆでる:深めのフライパンでさっとゆでて、ザルに上げる。冷めたら今日使わない分は小分けにして冷凍。
- トマトソースを作る:同じフライパンをさっと流して、オリーブオイルでベーコンを炒めた後、玉ねぎを加える。玉ねぎがしんなりしたら、ワイン大2を入れる。トマト缶、水100ml、袋を破った野菜だしを入れて、トマトを潰しながら煮込む(15分くらい)。翌日の分を冷凍庫に、残りを1食分にして冷凍保存。
- アボカドの和え物を作る:ソースを煮ている間に。乾燥ひじきを水でもどす。ボウルにオリーブ大4、野菜だし1袋分、レモン汁小2をまぜる。アボカドともどしたひじきを混ぜて完成。半分残して翌日用に冷蔵庫へ。※翌日の残りはやはり変色しました。
- チキンピカタを作る:ソースを煮ている間に、鶏肉に酒と塩コショウを振ってなじませておく。卵を溶いて、肉をくぐらせてフライパンで焼く。
で、どこよバジルは、とお思いですね。火曜のパスタにおもむろにまぶす、金曜のメニュー「フラメンカ・エッグ」(トマトソースに玉子を落として半熟にしたもの)にさりげなく散らす、という風に、ゲリラ的な使用を想定。思い立ったら5秒でバジル、ですもの。ノープランですよ。
あとは、アボカドのマリネが簡単なのにとても美味しくて、かつ栄養価も高くて大満足だったことをお伝えしておきます。
しあわせな夕方
なんの予定もない休日は
関西の行きたい展示会:会期の迫っている順に
- 神戸市立美術館「特別展 我が名は鶴亭 ―若冲、大雅も憧れた花鳥画!?](2016/5/29まで)http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2016_1kakutei.html
- 細見美術館「趣味と芸術ー味占郷」(2016/6/19まで)杉本博司 趣味と芸術―味占郷 | 京都 細見美術館
- 大阪市立東洋陶磁美術館「没後100年 宮川香山展」(2016/7/31まで)展覧会情報 | 展覧会情報 |大阪市立東洋陶磁美術館
- 神戸市立美術館「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」(2016/6/18~8/28まで)ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞
最後に
ひとり暮らしの献立1週間:ビールが飲みたくて餃子を作る、5/15週
暑くなってきましたね!大阪は今週末大そう暑うございました。それにともなって、晩酌時のビールの飲みごたえが夏仕様に変化。改めて季節を感じます。舌ではなく喉で味わう感じ。液体が体に流れ込むもっと手前で染み込む感じ。350ml缶がちょっと少ないと思ってしまう感じ。そうして、軽く酔っ払いつつ、こうやって何も変わらないまま何度も同じ夏が巡ってくることに、呆然としてしまいます。
さて、ビールに一番合う食べ物は餃子であると信じる私は、ビールの季節到来を祝うために餃子を大量生産することとしました。時折無性に食べたくなるので、餃子は作りなれたおかずのひとつです。肉と野菜と炭水化物が一気にとれるし、ビールだけでなくごはんにも合うという。ああパーフェクト。惜しむらくは具材のキャベツ(もしくは白菜)を刻むのがとっても面倒くさいということですが、餃子さんのためならエンヤコラと気合を入れました。
得意料理というのは自分のためにも作るし、誰かのためにも作ります。餃子はみじん切りにしたりタネを包んだり、無心になれる作業が多いので、色々と思い出すことも多い。ただただひとりで作った餃子の合間に、誰かと一緒の楽しい思い出とちょっと悲しい思い出が入り混じる、私的“ひとり暮らしの味”です。
あ、あと今週は蒸しナス大活躍、というのも裏テーマですよ。
5/15~21の献立予定
- 日:(昼)冷やし中華
- (夜)餃子、蒸しナス×生姜醤油、ビール、(ごはん、トマトと卵のスープ)
- 月:トマトと卵のスープ、のにゅうめん、コールスローもどきサラダ(スープを温めてそうめん1把を投入して茹でる/みじん切りキャベツにハムを混ぜてマヨネーズをかける)
- 火:ごはん、豚肉とナスの炒め物、インスタントスープ(豚バラ・蒸しナス・玉ねぎを炒めて味つけする/ごはんをチンする/スープに湯を入れる)
- 水:豚肉とキャベツの蒸したの、なすとキュウリのピリ辛和え物、白ワイン(豚肉とキャベツを重ねて蒸す/ナスに味をつける)
- 木:カレーうどん、ナス残り(解凍しておいたカレーを伸ばしながら温める→あげを入れる→冷凍うどんをいれる/ナスが残ってたら味付け)
- 金:チルドピザ、ワイン(…ピザをトースターで焼く)
- 土(昼)チャーハン(玉ねぎと卵)、インスタントスープ(具材を炒めてチャーハンを作る/湯を沸かしてスープを作る)
【献立メモ】
餃子のレシピは毎回変えています、というとプロっぽいですが定番を決めていないのでその時々で検索したりレシピ本を見て作ります。今回は暮しの手帖74号(2015年早春号)が大・大活躍。「秘伝の餃子」なるレシピを前面に参考にしたのと、同じ号に掲載されていた作り置きおかずの「蒸しナス」レシピを全面導入。持つべきものは親とバックナンバーですね。
餃子にカレーにピザと、男子大学生か若手サラリーマンのような献立になってしまっていますが、足りない野菜は社食の昼食で補っております、悪しからず(これも男子大学生みたいですね)。
【今週の反省・5/22追記】
トラブル対応でなかなかハードな一週間。最近のピザってチルドでも美味しいですね。疲れた水曜日に前倒しました。お疲れさんの金曜は家で食べる気がしなくて外食。美味しかったけど、家の方が寛げるなぁと思うのはよいことなんでしょうか悪いことなんでしょうか。しかし、またカレーを食べず終いだった。冷凍とはいえ、早く食べないと。
日曜日の下準備・調理
【材料】
- 家にあったもの:玉子(3個)、冷凍カレー(1食分)、冷凍刻みあげ(適量)、冷やし中華(残りの1食)、そうめん1把、各種調味料
- 購入したもの:豚ミンチ肉(100g)、豚バラ肉(200g)、豚肩ロース肉(200g)、玉ねぎ(1個)、ナス6本、キュウリ1本、トマト1個、キャベツ1/2、餃子の皮(大判)、ハム1パック
【下準備&調理】
①朝の準備
- ナスを蒸す:ナスはヘタとお尻の部分をカットし、2個ずつラップにくるんで600Wで3分チンする。粗熱が取れるまで放置し、皿2枚で上から押さえて水切り後手で食べやすいサイズに割く。できたものはタッパーに入れて保存(冷蔵庫で4~5日程度持つそうです)。
- 野菜を切る:キュウリは半分を細切り(冷やし中華)、残りを乱切り(和え物)。トマトは1/4を薄切り(冷やし中華)、残りを適当に(スープ用)。玉ねぎは1/4をくし切り(炒め物用)、1/4をみじん切りに(スープ用)。キャベツは3/4をみじん切り(大変…)、残りを一口大に(蒸し物用)。今日使わないものをすべて冷蔵庫に保存。
- 肉類を切る:ハム2枚を細切り(冷やし中華用)、残り3枚を細かく切る(コールスロー用)。豚バラ肉と豚肩ロースはパックから出してラップに平たく包んで冷凍庫へ。
- 冷やし中華を作る:麺を茹でて、キュウリ・ハム・トマトと一緒に盛る。
②夜の準備
- 餃子を作る:キャベツに塩を振ってしばしおく。豚ひき肉に水大さじを入れてひたすら練る。白っぽくなったら日本酒・ごま油各大1、醤油・オイスターソース各小1を入れて再度練りまくる、水を絞ったキャベツをいれてさくっと練る。ボウル内でならして、スプーンで線を入れ、それぞれ皮につつんでいく(例えば皮が24枚なら8分割して、1部分で3つ包める…はずなんだけど、まさかの皮が20枚という根本的ミス…!それだけでなくても必ず余るのに…)→今日食べたい分だけ焼いて、残りはくっつかないように気を付けつつジップロックに入れて冷凍。
- スープを作る:400mlの水に鶏ガラスープを入れ、玉ねぎを加えて煮込む。煮立ったらトマトを入れ、柔らかくなったら適当につぶす。卵を溶いて入れる。※結局餃子でお腹いっぱいになってしまい、翌日まとめて飲むことに(なってしまったので、にゅうめんにする)。
- ナスを和える:ナスを盛って生姜醤油をかける。
世の中の人は餃子のタネが余ったらどうしてるんでしょうか。私はとりあえずラップで包んで冷凍しました。うーん。とりあえず後で検索しよう。みじん切りのキャベツも余ってしまったので、これはサラダにすればいいかと。
日曜は午後から出かける予定だったので、午前中に準備、帰ってきて料理、としたのでトータル3時間半くらいでしょうか。ちょっと頑張って疲れました…でも頑張った分、熱々餃子とビールでいけてる晩ごはんになりました。ぷはー。
なつめさんとくるみさん、初夏のリラックススタイル
春のお買い物
私の「ちょっとした贅沢」は、日常生活のためのものをちょっといいものにしたり、時期に応じて買い替えたりすることです。生活に関わるものと言っても、必需品でないものや、誰にも見せる必要がない自分だけのものを買い揃えることが密かな愉しみ。満足感の高い贅沢だと思います。ちなみに、「贅沢」を経済学の観点からいうと、収入が増えたときに購入を増やすもの、という定義だそうです。反対に、元々の収入で購入するものはすべて必需品とみなします。我々の感覚からは少しずれている気がしますが、今回買ったものはこれまでならあまり買わなかった領域に手を広げてみたものなので、経済学的にも「贅沢」と言ってもいいかもしれません。
3月:春色ポーチとハンカチ
上:遊中川のirouraeポーチ(ベージュ) 3,780円
下:mottaのハンカチ(グレー地に水玉) 1,500円くらい
春になったなぁ、と思うと黄色いものが欲しくなります。淡い黄色は、私にとって春のイメージを刷り込まれた色。たぶん、フキノトウあたりから始まって、レンギョウ、ミモザ、福寿草、タンポポ、蠟梅など、春の花に黄色が多いからだと思います。同時に、淡いグレーも春の色。水分を含んでけぶった空の色、空気の重さ、眠たそうな海など、どこかグレイッシュな色調が春の景色っていう感じ。そのイメージをそのまま投影したような綺麗なタックのポーチとリネンのハンカチを遊中川で見かけて、思わず購入。本当はプレゼントを探しに行ったんですけど、テキスタイルには弱い。とことん弱いのです。ずっとAVOCAのあったかチェックのポーチを使っていたので、ここいらで春夏用にチェンジしても罰は当たらないんじゃないかと。買う必要のないmottaのハンカチも、ポーチにぴったりだったのでセットで購入してしまいました。贅沢~。
4月:食器は1セットに割り切ってみる
右:クチポールのテーブルスプーン
左:クチポールのテーブルフォーク 各1800円だったような(忘れた)
5月:日本とアジアの交錯するところ
うれしいぼやき
しみじみーとブログを始めて約10か月になります。やっぱり大事なのはコンテンツだ、ストック型の情報発信だ、と思い立ったものの、アクセス数を稼げるようなテーマを選んで無理をするよりも、自分が知っていること、思ったこと、語れることなど、一度咀嚼した情報しか書かないことをルールとし、基本的には単なる日記としてやってまいりました。男もすなる日記と言うものを女もしてみんとてするなり、といった心境。ビジネスではなく趣味です。あるいは趣味的なものがどこまで一般化できるかという実験です。
なもので、毎日アクセス数が20を超えると、わぁ今日は色んな人が読んでくれたなぁ、明日も頑張ろう、という気持ちになっていたのですが…先日若冲展について書いた記事が予想外に検索され本日自己最高の一日400アクセスを達成いたしました。当該記事を書いて以来、毎日のように100アクセスは超えているので、突然のフィーバーっぷりに目を白黒させております。アクセスログを見てみると、ほとんどが「若冲展 混雑」とかで検索されて読まれているようなので、みなさん混雑状況が気になって訪問してくれてるんですね。まあ、それを見越した記事タイトルにしている(だってせっかくだから読みたいタイトルにしたいでしょ)んですけど、おそらくその問いには答えられていない(単に自分が行った時の感想だから)ので、ちょっと申し訳ないです。一応謝っておきます。さーせん。
その後の記事更新については、急増したアクセス数に応えられるネタを用意しているわけではないので、結局いつも通りの実感系ネタをしゅくしゅくとアップしていくしかありません。なんですが、ブログ記事を投稿することの報酬って、なんだかんだアクセス数だと思うんですよね。アクセス数を稼げていると、記事をアップするモチベーションが妙に下がる。あるいは、どうせ若冲で検索されて読まれないかも、とか思っちゃう。実際ここしばらくはほかの記事がほぼ読まれていないようです…悲しい。
というわけで、これから地味な日記を書こうという直前の、うれしいんだけどどうせ読んでくれないんでしょ、というぼやきです。
和菓子 WAGASHI(藪 光生/角川ソフィア文庫)
興味がありそうだから、と友人が何冊かおすすめの書籍を送ってくれました。わーいわーい。持つべきものは面白い本をよく知っている友達ですね。お礼がてらに書評を書こうと思います。まず第1弾は和菓子の本。お茶を始めたいんだよね。文化って意味でも素敵だけど、正直和菓子美味しいじゃん、という一言に反応して送ってくれました。
面白かったところ
- ざっくりと和菓子の歴史を知れる
- とにかく造形にぐっとくる
- 意外と深い、干菓子の世界
ざっくりと和菓子の歴史を知れる
和菓子の歴史を7段階に分けて説明しているのですが、結局、外からの刺激が大きな転換点になっているんですね。まずベースは菓子=果物や木の実からスタートするんですが、ちょっとアク取ったり練ったりして食べているうちに、遣唐使がどどーんと「唐菓子(からくだもの)」を持ってきて、おおなんだこれすごいぞ、ということになり菓子が急速に進化。その後茶の湯の流行で侘び寂びしながら発展していたところに、マルコ・ポーロきっかけで南蛮人および南蛮菓子が到来。カステラにビスケットなど小麦や砂糖を使った製法でお菓子がさらに進化。江戸時代には寒天の作り方が発見されるなどして、今とほぼ変わらないラインナップになったそうです。単に「菓子」だったものが「和菓子」と呼ばれるようになるのは明治に入ってから。西洋菓子に対する和菓子という区別は、西洋画に対する日本画と一緒ですね。こうやってまとめると、お菓子の世界にもちょいちょい黒船がやってきては驚かされ、でも右から左へ受け流さずにちゃんと自分のものとして咀嚼してきているのがえらいなぁ、面白いなぁと思いました。島国のありがたさというか、とりあえず流れ着いたものを習得するまで外の世界が放置しておいてくれるようなところがありますよね。
とにかく造形にぐっとくる
本の中には季節ごとのお菓子がオールカラーで紹介されているんですが、とにかく美しい。ぼかしたり透かしたり、くるんだり絞ったり。実は材料はそんなに種類がないのに、化ける化ける。西洋菓子は「積み上げ型」、和菓子は「包み型」と書かれていたのですが、西洋菓子を異素材の出会いにより広がる味の可能性とするなら、和菓子は絞ってまとめてくるんだ果ての一点の味の調和、みたいなものを目指しているんじゃないでしょうか。そして、そのミニマムな志と裏腹な七変化っぷりは、同じ景色が季節によって変化する、日本の四季に通じる気がします。
意外と深い、干菓子の世界
干菓子が好きなんです。でも私が言っている干菓子は、あくまでその中の一つの落雁だったんですね。なるほど。普段いく和菓子屋さんでなんとなーく見逃していた、じゃりじゃりしたゼリーっぽいやつや外側が氷砂糖っぽくなったゼリーっぽいやつやしなっとしたメレンゲっぽいやつも干菓子であると。ほう、なるほど。それぞれ名称と製法を書いてくれているのですが、材料が大体寒天か砂糖か水飴なのでいまいち具体的に想像できず、ビジュアルから食感を思い出してみようとするのですが、難しい。たぶんどれも1回くらいは食べたことがると思うんだけど、どれが「艶干錦玉」で「石衣」で「寒氷」で「雲平」なのか…?せっかくなので、一度季節の干菓子セットを買ってみて、アレコレ味わってみたいと思います。
さて、感想は以上ですが、いまいち文章だけだと魅力が伝わりませんね。やっぱビジュアルがないと。世の中は和菓子ブームだし、他にも綺麗な和菓子の本はたくさんあるのですが、サイズも中身も価格もコンパクトにまとまった入門書としてとても楽しく読めました。
和菓子 WAGASHI ジャパノロジー・コレクション (角川ソフィア文庫)
- 作者: 藪光生
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
- 発売日: 2015/01/24
- メディア: 文庫
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